この し・あ・わ・せ を!
1ヶ月ほどの前の話になりますが、7月23日に帰国早々コンサートへ行ってまいりましたので、その総括を残します。(あらかじめ断っておきますが、健人担ではありません。)
SexyZoneについては 現状を含め、今回のコンサートの前評判も色々と耳にしており、それでもなお心待ちにしていました。(なにせコンサート自体一年以上ぶりだったので…)友人と合流し、腕に光る時計の長針が真上に近づいていくにつれ、なんだか久しぶりにあの高揚を思い出してきたようでした。
3人の曲から始まったコンサート。知らない間に知らない人になってしまったようで、1曲目にそれを選択したことでこれからの彼らの歩む方角が示されたようで、わたしにとっては少し悲しい幕開けでした。いつもどおり、この心の曇りを一掃したのは中島健人くんの存在です。SexyZoneファンの困惑とJr.ファンの興奮とが溶けて混じる空気を両断するように、金の衣装の裾を翻し迷いなく突き進む彼の姿は見ていて実に気持ちのいいものでした。
しかしいかに健人くんが自分の理想的中であってもそれだけですべてを忘れられるほどことは単純ではなく、とはいえ複雑な感情も結局はひとつに集束するのですが、その話をするにはまず彼のソロコーナーに言及せねばなりません。
健人くんのコーナーは彼の初めてのソロとともに始まったのですが、あのTeleportationはおそらく会場の多くのファンに2012年の夏を想起させたに違いありません。(余談ですが、当時その場にいた現担当が今ここにいないことがまるで間違い探しの「間違い」のようで、わたしには少し寂しかったです…)おかげで「あの頃」に焦がれる気持ちはかえってかさを増し、しかし深く沈むよりも前に一瞬で景色は塗り替えられ—— もちろん眼の前で椅子に座りピアノを奏でている健人くんのしわざですが—— そこからまた眺めは一転してCANDYのはつらつとした音が雰囲気を彩り、天に向かって伸びる指先があんまりまっすぐだったので、まるでその指の示す方向に健人くんの未来が向かっているようでした。
(腑に落ちるとはこういうことか)
こりゃ、未来は明るいぞ。アイドル中島健人はファンがどうこう言うまでもなく毎日着実に完成に向かって歩を進めていて、自分は彼のこの姿を見てただ確信を持ちたかっただけなのだと知りました。
そういえば、この間見た健人くんは今まで見た中でいちばん「強い」感じがしました。その鮮明さは、5人でも3人でもたとえ1人きりになっても、この人はSexyZoneとしてジャニーズとしてステージに立ち続けるに違いない、そんな確信にも似た思いが抱かれるほどでした。
だから自分の中で決着がついたというか、わたしは今はこのまま流れに従うつもりです。しかしそれはグループを投げ出す構えではありません。もちろん5人ではなく3人体制を打ち出されたことは悲しいニュースでした。今までがすべてなかったことにされてしまうかもしれない。自分の過ごしてきた時間が白紙にされてしまうかもしれない。その可能性に恐れを抱かなかったと言えば、それは滾る炎よりも明らかな嘘です。
言葉も完全じゃない知らない土地でひとりで生きることのつらさ、マリと自分を重ねるつもりは毛頭ありませんが、似たような経験をして前よりは想像が及ぶようになりました。わたしは実際見ていませんが聡くんがバク転を成功させたという話も小耳に挟みました。デビューした当初ラジオ内で目標に掲げていたことをよく覚えています。そういう目に見えて分かるほどの努力がなかったことにされてしまうのならば、それは残念なことです。わたしが気に病んでいるのはもはや人数云々よりも、そちらのほうです。
中島健人くんがいるかぎりSexyZoneの輪郭は失われないし、彼がいるかぎりどんなに離散してもメンバーの帰れる場所は持続するし、それならわたしは現状がどうあろうとじっと堪えて朝を待ち続けることができるかもしれない—— 今は、5人のSexyZoneには ‘森へ続く道のどこかで会えたなら’ くらいの気持ちでいます。
仮に3人体制が根付いてしまってから再び5人になったとしても それが今までのSexyZoneとイコールかは正直分かりません。戦乱のようなショービジネスの世界ではこれが甘く淡い期待であることも 中島健人くんを贔屓しているからこそ口にできる見方だということも承知で、わたしは怒りや悲しみや焦り*1よりも期待を胸に飾って堂々といたいですし、現状維持のためではなく何か素敵な未来のために働きかけていたいです。足踏みではなく前進するためにパワーを使いたいのです。
これはわたしの価値観なので万人に強制できるものではありませんが、「楽しくないこと」を趣味として無理矢理に摂取する必要はないと思っています。苦しいことに敢えて挑むことが熱量を測る指標になるなんてナンセンスでしょう。笑って、楽しんで。そうできないものに出会ったときにはぐっすり眠って翌日にまた楽しいことを探しに行けばいい—— そう思っています。
*1:これもまた余談ですがやりきれない思いでいるSexyZoneのファンが踊れていないJr.に厳しく物申していたのも、苛々や鬱憤の矛先をJr.に向けられたようでなんとも残念な気分になりました…